プウ・ロア・ペトログリフ(Pu’u Loa Petroglyphs)【ハワイ火山国立公園】

先日、ハワイ火山国立公園のプウ・ロア・ペトログリフ(Pu’u Loa Petroglyphs)を見学してきました。名前のプウは丘(hill)、ロアは長い(long)という意味で、長い丘(long hill)や長寿の丘(hill of long life)という意味が込められているそうです。

ここはハワイ原住民が溶岩に刻んだペトログリフ(岩石線画)を見学できるスポットですが、たどり着くまでには片道30分の道のりを歩かなければなりません。

道のりは意外と長いですが、ペトログリフを見るのが初めだった私はとても楽しめました。そんなプウ・ロア・ペトログリフの場所や行き方などをまとめてみました。

プウ・ロア・ペトログリフの場所

まずは場所を確認してみましょう。下の図をご覧ください。

(地図をクリックすると拡大します)

ハワイ火山国立公園より。

地図上でピンク色の四角で囲んだ場所がプウ・ロア・ペトログリフの位置です。チェーン・オブ・クレーターズ・ロードの終点にあるホーレイ・シーアーチの手前に位置します。

プウ・ロア・ペトログリフの距離・所要時間・難易度

  • チェーン・オブ・クレーターズ・ロード沿いの駐車場からプウ・ロア・ペトログリフまでの距離:往復 2.25 km(1.4 マイル)
  • 所要時間:往復 1 時間〜 1 時間半 程度
  • 難易度:Moderate(普通)

プウ・ロア・ペトログリフの駐車場とトイレ

プウ・ロア・ペトログリフには整備された駐車場はありません。チェーン・オブ・クレーターズ・ロードの道路脇に適当に駐めることになります。

トイレはありません。さらに南にあるホーレイ・シーアーチのトイレ(汲み取り式)が一番近いトイレです。事前に済ませておきましょう。

プウ・ロア・ペトログリフ見学にあるといいもの

プウ・ロア・ペトログリフにたどり着くまでには、起伏のある溶岩の上を片道30分くらい歩きつづける必要があります。途中、頭上をさえぎるような木もはえてないですし、日陰はまったくありません。海が近いので風が強い日もあります。

見学するなら下のものを用意しておくといいと思いますよ。

  • 帽子
  • 日焼け止め
  • 飲料水
  • レインジャケットなどの雨具
  • スニーカー

プウ・ロア・ペトログリフへの行き方

プウ・ロア・ペトログリフは火山公園のだいぶ南にあります。キラウエア・ビジター・センターからチェーン・オブ・クレーターズ・ロードを使って車で40分くらいかかります。

チェーン・オブ・クレーターズ・ロードの山道を南に下っていくと、平らな道に変わります。走りつづけて海が目の前に見えるようになると、「Pu’u Loa Petroglyph」という小さめの看板があらわれます。

(たぶん何台もの車が道路脇に駐まっているのでそれで気づくと思います)

道路脇に車を駐めます。車を降りると、このようにホーレイ・パリ(断崖)が北に見えます。

プウ・ロア・ペトログリフにたどり着くためのトレイルの入り口にはこんな説明があります。

プウ・ロア・ペトログリフはハワイアンの人々にとって神聖な場所であり、この地で子供の繁栄や長寿を願って儀式を行ったり、ペトログリフが刻んだりしたと書かれています。

トレイル入り口からペトログリフが刻まれたエリアまでは片道0.7マイル(1.13 km)です。

この一帯の溶岩は500〜550年前に流れた溶岩だと推定されています。

ということは、それ以後にペトログリフは刻まれたということですね。

しばらく歩いてから駐車場のほうを振り返ってみました。思いのほか道のりは長いです。。

写真のようにトレイル上には石が積まれています。これはトレイルの道案内の役割を果たしています。

ポリネシアの島々からハワイ島にたどり着いた人々は、当初、沿岸域に住んでいたと考えられています。

ほとんど土がない溶岩台地に穴を掘り、土を集め、カヌーで持ち込んだサツマイモなどを植えて育てていたそうです。

同じようにカヌーで持ち込まれたというノニもこうしてたくましく育っています。

当時の人々が過酷な環境で暮らしていたことを想像するだけで大変そうです。。

ペトログリフ見学エリアに近づくと、足元にこんなサインがあらわれました。

「ペトログリフを汚したり、跡をつけたり、傷つけたりすることは違法です」という警告です。

30分ほど歩いてついに到着!

ボードウォーク(木道)の上を歩くので、ペトログリフを傷つけずに見学できます。

看板の説明にはこうあります。古代ハワイの人々は書き言葉(文字)を持たなかったため、ペトログリフをとおして当時の人々の生活を垣間見ることができる、と。

看板の絵のように、石の斧とそれをたたく石を使って溶岩に線を刻んでいたのではないかと考えられています。

それではペトログリフを見てみましょう!

丸い穴、二重の円、二重の円の中に穴があるもの、など色々な模様があります。

ここには23,000ものペトログリフが刻まれており、そのうちの84%が穴だそうです。

ハワイアンの人々は子どもが生まれるとこの地を訪れ、溶岩に穴をあけ、その中に新生児のへその緒を入れて石で覆いかぶせました。そして翌日再びその場所を訪れて、へその緒がまだ残っていたら子どもは長生きする、と信じていたそうです。

ペトログリフには、人間の形をしたもの、動物やカヌーを形をしたものもあります。

下の写真(クリックすると拡大します)の左下のペトログリフはカメに見えます。実際どうなんでしょうね?

ペトログリフは10分くらいしか見学してないですが、これは何だろう?あれは人の形だ!なんて考えながら観察するのはなかなか思いのほか楽しかったです。

ボードウォークを一周して見学を終えたら、来た道を戻るだけですが、駐車場に戻る頃にはぐったりでした。

まとめ

私がここを訪れた日は曇っていて比較的涼しかったので、ペトログリフまでの道のりはそれほど大変ではなかったです。でも暑いときは結構きついと思うので水や帽子などを持っていくことをおすすめします。

また、溶岩台地は起伏が結構激しいので、小さな子どもやひざが悪い人、お年寄りの方には大変かもしれません。

同じ道のりを昔のハワイアンの人々も歩いていたかもと想像しながら歩くのは楽しかったです。歩いた割にはペトログリフが大したことないという感想の人もいますが、いい運動になることは間違いないです!