種から育てて 5年目の今年、初めてジャックフルーツの実を収穫しました。
せっかくなのでジャックフルーツの栽培、収穫、そして実の取り出し方を本記事にまとめました。
ジャックフルーツの基本情報
学名 | Artocarpus heterophyllus(クワ科パンノキ属) |
英名 | Jackfruit |
別名 | パラミツ、ジャカ、ナンカ |
原産地 | インド南部 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
ジャックフルーツは南インド原産の常緑中高木。東南アジア、アフリカ、ブラジルなどの熱帯・亜熱帯地域で幅広く栽培されています。
果実は幹や太い枝に直接なり、とても大きく、40 kg以上に達するものも!それゆえ世界最大の果実とも呼ばれます。(正式には木になるフルーツのなかで世界最大)
ジャックフルーツは集合果で、果実の中にはたくさんの種子があります。
成熟した果実は生で食べることができるのはもちろん、未熟の果実や種も調理して食べることができます。
最近では肉の代用品としてベジタリアンやヴィーガンから注目を浴びています。そのため、アジア系スーパーだけでなく、アメリカ本土の人気スーパー「トレジョ」でもジャックフルーツの缶詰が販売されています。
ジャックフルーツのすごい特徴
- 多産で、一本の木から一年で200〜500個の実が収穫できる
- 一つ一つの実が大きく、一個あたり100前後の果肉が得られる
- 果肉以外の部位(種や繊維状の部分)も食べられる
ジャックフルーツの旬はいつ?
インド低地では 5月〜6月、山地では 9月頃。タイやフィリピンでは 4月〜8月頃。インドネシアでは一年中手に入ります。
沖縄では 7月〜11月。
アメリカのフロリダ州では晩夏〜秋。ハワイ島のわが家の農園では 2〜3月に収穫できました。
ジャックフルーツの栽培・収穫
今回収穫したジャックフルーツは 5年ほど前に食べた果実の種から育てたもの。
種を発芽させるのは非常に簡単で、生長も速く、ポット栽培で一年ほどで樹高約 1メートルになりました。
それを適当な場所に植え、樹高が高くなりすぎないように、半年から一年おきに適当に剪定。
ここ数年、何度か雄花は咲いたものの、雌花はなかなか咲きませんでした。
ところが昨年の 7月〜10月にかけて、初めて雌花がいくつも咲きました。
(ハワイ島のヒロ側のような熱帯・亜熱帯地域の高温多湿な環境では一年中開花が見られます。でもたくさんの花がつくのは乾季になってからか気温が下がってから 6〜8週間後。)
ジャックフルーツは雌雄同株なので一本の木に雄花と雌花の両方が咲きます。
雄花と雌花は見た目が似ています。以下、雌雄を区別するポイントです。
雄花:枝の先端につき、花柄(果実を支える茎)が細いです。
雌花:幹や太い枝につき、花柄が太いです。そのうえ、雌花の基部に帽子のような花托(茎が厚くなった部分)があります(下記画像参照)。
花が咲いてから旅に出てしまったので受粉直後の様子がわかりませんが、以下は、旅行から戻ってきたあとに撮影した写真です。
▼11月中旬
実はまだまだ小さく、青々としています。
表面を指で押してもカチカチで固いです。匂いもしません。
▼12月中旬
ひと月前と比べて一回り大きくなりました。
あいかわらず表面を指で押してもカチカチで固いです。いぜんとして無臭。
▼1月中旬
左のジャックフルーツがずいぶんと黄色〜黄褐色に色づきました。
それも表面の一部が黒ずんでいます。
表面を指で押してみると、指が入るくらい柔らかいです。
鼻を近づけてみると、ジャックフルーツらしい濃厚でむっとした香りがします。
この果実の花柄(茎)の部分にハサミを入れて、収穫!
しっかり熟していたので、切り口から白いネバネバとした乳液はほとんど出ませんでした。
若い状態で収穫すると、乳液がたくさん出るので扱いには注意が必要です。
開花後、3〜8か月で果実が成熟したといえます。
重さは 3.96 kg。長さは 30 cmくらい。
通常 10〜20 kgで 40 kgに達するものもあることを考えると、ジャックフルーツとしてはかなり小さめです。
放任栽培で肥料を与えてなかったため栄養状態が悪かったのだと思います。
それに加えて品種も不明なので、果実が小ぶりの品種かもしれません。
ジャックフルーツの果肉を取り出してみた
だいぶ熟れていたので、収穫後すぐにジャックフルーツを解体してみました。
(まだ香りがしない場合は収穫後、香りを放ちはじめるまで数日間追熟させます)
テーブルが汚れないようにビニールシートの上でカットしていきます。
長さは約30 cmありました。
ジャックフルーツの長さは通常 20〜90 cmほどなので、だいぶ小さめです。
乳液がつかないようにゴム手袋をはめ、包丁に食用油を塗り、縦に包丁を入れていきます。
ジャックフルーツは大きいので、長い包丁を使えば作業がスムーズに進むと思います。
縦半分に切って、果実をこのように開きました。
開くとジャックフルーツ独特の匂いがします。熟しすぎたパイナップルのような匂いです。
ジャックフルーツの中心には白い芯(中心柱)があり、その周りを囲むように果肉が形成されます。
なので、この白い芯を切って取り出します。
芯を取るとこんな感じです。これで芯の裏側にある果肉も取り出せるようになりました。
一個ずつ果肉を取り出していきます。
この黄色いのが果肉です。
果肉の周りにあるリングイネ(パスタ)状の繊維(英語で rag と呼ばれる)は食べないので取り除きます。
果肉の中には種が入ってます。
こうして果肉が種をさやのように包んでいることから、果肉は種衣(または仮種皮)と呼ばれます。
種は薄くて黄色い膜で覆われています。この薄い膜は食べても渋いので取り除きます。
種は長さ約 2.5〜3センチ。
種は火を通せば食べれるのでとっておきます。
こんなふうに果肉と種を取り出したのですが、最後に数えたら全部で 67 もの果肉と種が入っていました!
(通常は一つのジャックフルーツから 100〜500 の果肉が取れるそうです)
まとめ
ジャックフルーツの栽培はとても簡単ですが、果肉を取り出す作業には時間がかかります。
とはいえ果肉は生でそのまま食べることができますし、種も火を通せば食べられるので、とても優秀なフルーツといえます。
生で食べても調理してもおいしいフルーツなのでこれからはもっと大切に栽培したいと思います。
食べ方については近いうちに別の記事にまとめます。