「豆」と聞いて何を想像しますか?
大豆とかさやいんげんとか、いわゆる野菜を想像するのではないでしょうか。
でも豆は豆でも、フルーツとして食べられる豆があるのを知っていますか?
その名もアイスクリームビーン。
今回はそんな不思議なマメ科のフルーツについてご紹介します。
アイスクリームビーンの基本情報
学名 | Inga spp.(マメ科インガ属) |
英名 | Ice cream bean |
別名 | インガ、グアバ、グアマ |
原産地 | 南米アマゾン川流域 |
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
マメ科に分類されるアイスクリームビーンはアマゾン川流域の低地が原産。
樹高は 15〜30メートルで、枝先にマメ科に特徴的な莢をつける。
英語でアイスクリームビーン(Ice cream bean)と呼ばれていますが、実はいくつもの品種があります。莢の長さが 1メートル以上にも達するインガ・エドュリス(Inga edulis)が有名です。
(ここハワイ島で手に入るアイスクリームビーンの苗やフルーツは品種名まで書かれていません)
ブラジル、ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルーなどの分布域ではコーヒーやカカオの日よけにしたり、材木や炭にしたり、種を包む部分(パルプ)を食べたりします。
莢や葉は家畜の飼料に、種や葉は下痢やリウマチの薬として使用されます。
種を発芽させるのは非常に容易で、発芽してから 1〜2年で実をつけるほど生長が早いので、街路樹にも利用されます。
一本の木からは、一年に 40〜200本もの莢が採れるそうです。
生長が早く多産ですが、その代わり木の寿命は約 25年と短めです。
また、マメ科ということもあり窒素固定能力があるので、土壌改良にも用いられます。
アイスクリームビーンの旬はいつ?
アイスクリームビーンの旬は品種によって異なりますが、ここハワイ島では 4月にヒロの市場で売られているのを見かけました。そして7月と8月にはハワイ島の友人のアイスクリームビーンの木が大量に実をつけていましたよ。
アイスクリームビーンを食べてみた
これは友人からおすそわけでもらったアイスクリームビーン。
(品種名はわかりません)
ふっくらとした実が莢の表面に浮き出ていて、莢の色が緑〜黄色の状態です。
莢の表面は手触りがよく、まるでベルベットとかベッチンを触るような感じで、高級感があります。
さて、肝心のフルーツは莢の中にあります。
どうやって取り出すと思いますか?
方法は色々あると思いますが、わが家ではこうやります。
両手で莢の両端をつかみ、ぞうきんを絞るような感じでひねります。
すると割れ目が入るので、そこから莢を開きます。
莢を開けると、小分けにされた白い綿菓子のようなものがずらーっと並んでいます。
この白い部分が果肉(パルプ)。食べる部分です。
果肉に包まれている黒い部分は豆(種)で、一部の品種を除いて(南米では種を煮たり焼いたりして食べる)は、食べることはないそうです。
ちなみに莢は長さ 20〜25cmくらいでした。
アイスクリームビーンの食べ方
莢から取り出した白い果肉は、種も含めてまるごと口に入れて歯でかむと、プチッと果肉に切れ目が入り、種からペロンとはずすことができます。
種は食べずに、後から出してくださいね。
果肉はうっすらバニラアイスクリームのような味で、口の中であっという間に溶けてしまいます!
食べても食べてもお腹がふくれる感じはありませんが、面白い食感で癖になりますよ。
アイスクリームビーンのタネ
これがアイスクリームビーンの種。
見た目が甲虫みたいにツヤツヤしていて割れ目のようなものが入っていてます。
長さは約 2.5cm。
アイスクリームビーンの種は発芽しやすく、莢の中で緑色の芽を出しているものもたまに見かけます。
アイスクリームビーンの糖度
せっかくなのでアイスクリームビーンの糖度(糖度計)を測ってみました。
二度にわたり計測した結果、糖度はそれぞれ 14%と 17.5%(度)でした。
同じ木から採れたものでも、甘さに結構バラつきがあるようです。
おまけ
アイスクリームビーンと呼ばれるものでもさまざまな品種があります。
これはヒロの市場で売られていたもの。3本で$2でしたよ。
これはマウイ島を訪れたときに見つけた品種。
莢のデザイン・太さ・長さは多種多様ですが、味は甘さの違いはあれどだいたい同じでした。
どこかで見かけたらぜひトライしてみてくださいね!