先日ヒロのファーマーズマーケットで珍しくピンク色のアテモヤを見つけたので買って食べてみました。
味は、私が好きなトロピカルフルーツのトップ3に入る勢いでおいしかったです!
アテモヤは固いうちに収穫しても数日でやわらかくなるため、長距離輸送に向かないフルーツなので、まだまだ知名度が低い南国フルーツ。
そんなアテモヤがどんなフルーツなのかをまとめてみました。
アテモヤの基本情報
学名 | Annona cherimola x Annona squamosa(バンレイシ科バンレイシ属) |
英名 | Atemoya |
別名 | Pineapple sugar apple(鳳梨釋迦)、Anón、Chirimorinon、Achta、Stafeli dogo |
原産地 | 南米アンデス |
おすすめ度 | ★★★★★ |
アテモヤは釈迦頭(バンレイシ、sugar apple)とチェリモヤ(cherimoya)をかけあわせて作られたフルーツ。
名前は釈迦頭のブラジルでの呼び名アテ(Ate)と、チェリモヤ(Cherimoya)のモヤを合わせた造語。
アテモヤの果実の表面にはうろこ状の凹凸があり、外見はチェリモヤよりも釈迦頭に似ています。
世界三大美果に数えられるチェリモヤはペルーからエクアドルにかけてのアンデス山脈が原産。そのため標高700〜2400メートルの高地でしか栽培できないうえに、寒さ暑さに弱く栽培が難しいとされています。
美味だけど栽培が難しい…そんなチェリモヤの品質を損なわずに熱帯性気候でも栽培できるようにしたい。そこで、熱帯性気候での栽培に適した釈迦頭をチェリモヤにかけあわせて誕生したのがアテモヤです。
アテモヤは両者の中間の気候適性をもつため、オーストラリアやフロリダ、沖縄などの亜熱帯性気候でも栽培できるようになりました。
今回買ったアテモヤの果皮は灰色がかったピンク色ですが、市場で見かけるアテモヤはたいてい下の画像のように緑色です。
食感や風味がパイナップルに似ていることから、台湾では鳳梨釋迦(パイナップル釈迦頭)と呼ばれています。
アテモヤの旬はいつ?
5〜6月に開花し受粉すると、7月〜9月に果実が肥大。
10月〜11月頃に果実が成熟し収穫されます。
ヒロの市場では9月上旬に見かけました。
アテモヤを食べてみた
これがヒロの市場で9月上旬に入手したアテモヤ。3個で5ドルで売られていました。
品種名は残念ながら不明ですが、画像検索をすると「Lisa」と呼ばれる品種に似ている気がします。
果皮の色は灰色がかったピンク色。長さは10センチ前後と小ぶりです。
アテモヤの果実は球形または心臓形ですが、この品種はどうやら心臓形。
表面はうろこ状で、一つ一つのうろこがふくらんでいます。
アテモヤの食べ方
これを室温で数日も追熟させると、果皮の一部が茶色っぽくなりだいぶやわらかくなります。
熟れるとうろこが互いに離れてきて、上の画像のようにパカッと割れ目も。
(この段階なら包丁を使わずとも手で割れちゃいます)
縦に切ると断面はかわいらしいハート型!
果肉はきれいな白〜クリーム色です。
高級な香りがあたりを漂います。
果肉はスプーンで簡単にすくえます。
白い果肉を種ごと口に入れ、種は食べずに取り出しました。
アテモヤは種が少なめなので、こうして種が入ってない果肉もたくさんあります。
アテモヤの種
これがアテモヤの種。
アテモヤ3個分に18種の種が入っていました。
1個あたり6つくらいの種が入っている計算です。
長さは1.2センチ前後。
このように種が割れて発芽しているものもちらほら。
アテモヤはどんな味?
果肉は種から簡単にはがれるうえ、釈迦頭に比べて種の数が少ないので非常に食べやすいです。
見た目は釈迦頭に似ていますが、味はチェリモヤと同等かそれ以上においしいと私は思いました。
味はアテモヤの品種によっても多少違うでしょうが、今回食べたものは甘さも強くほどよくジューシーで最高でした!
おいしくて食べやすいのであっという間になくなりました。
ひかり
あまりにおいしかったので、土の入ったプラスチック袋に種を入れて発芽させることにしました。
うまく発芽してくれますように。。
アテモヤの糖度
せっかくなのでアテモヤの糖度を糖度計で測ってみました。
結果はなんと15%(度)!
一般的にアテモヤの糖度は20〜25度らしいので、今回のアテモヤはそこまで甘みが強くなかったといえます。
世界で栽培されている代表的なアテモヤの品種
アテモヤはイスラエル、南アフリカ、エジプト、オーストラリア、アメリカを中心に20種類以上の品種があります。
国 | 品種 |
オーストラリア | African Pride, Pink's Mammoth, Hillary White, Nielsen, Island Gem, Maroochy Gold |
エジプト | Cherimata, Finny |
イスラエル | Gefner, Kabri, Malalai |
タイ | Pet Pakchong, Golden Flesh |
アメリカ | Bradley, Keller, Page, Priestly, Stremer, Caves |
その一部の品種についてその特徴を簡単にまとめてみました。
Gefner
イスラエルの品種。フロリダでは最も商業的に栽培されている品種。
風味がよく、人工受粉しなくてもたくさんの実をつける。
果実は中くらいの大きさで、種が多い傾向がある。
4826
このフロリダの品種は、赤い釈迦頭とチェリモヤの交配種。
果実は灰色がかかったピンク色で、品質が非常に良い。
樹勢は特に強くなく、枝枯れがよく見られ、葉も小さいです。
人工受粉しなくてもそれなりの量の果実をつける。
Bradley
フロリダ南部で作られた品種。小~中程度の丸みを帯びた、風味に非常に優れた多産種。
人工受粉せずに結実することはほとんどなく、木の上で果実が割れる傾向がある。
Priestly
果実が大きく品質も良いですが、あまり実をつけない品種。
人工受粉しなくても実はいくらかつきますが、自然受粉したものは形が悪くなる傾向がある。
樹勢が強く、葉は非常に大きい。
African Pride
南アフリカとオーストラリアの主要な商業品種。
ジェフナーや4826と同様、人工受粉せずともそれなりの量の実をつけることができる数少ない品種の一つ。
果実の品質はまちまちですが、香りと甘みが強い傾向がある。
Pink’s Mammoth
オーストラリアで最高級とされるアテモヤの品種。
果実が700グラム前後と大きく、2キロ以上になる場合も。
果実の形はバラバラで、種が非常に少なく、風味が非常に良い。
木は大きく育ちますが、実はあまりつけない。
Pink Prolificとも呼ばれる。
Hilary White
果実は大きいが、ピンク・マンモスほどではない。
種はピンク・マンモスより多い。
着果がよい品種。
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フロリダ南部で最初に作られた品種の一つ。
人工受粉しなくてもたくさん実をつける。
ブラッドリー同様、果実は小から中程度の大きさで、品質が良い。
木に実がなっている状態で果実が割れる傾向がある。