アボカドの収量を脅かす虫が大量発生【グロ注意】

6年前に定植したアボカド（品種：Sharwil）の木に、今年はじめて実がなりました。

2020年4月撮影

収穫を楽しみにしていたのですが、最近どうも様子がおかしいんです。

2020年7月撮影

こんな感じにアボカドの葉の表面が一部黄色〜茶色に変色していたんです。

葉っぱを裏返してみると

葉脈に沿って黒い粒状のものがびっしり！

肉眼では黒カビにしか見えません。

ひとまず葉っぱを数枚家に持ち帰り、観察することにしました。

虫を観察してみる

カメラ好きの夫が手持ちの一眼レフにマクロレンズを装着し、葉の裏側をいざ撮影！

すると、いるいる〜！

これをさらに拡大。

頭が黒く、羽は半透明のレース状になっていて、羽に黒い横線が一本入ってますね。

調べたところ、どうやら「グンバイムシ」の一種だということがわかりました。

それもなんと2019年12月にオアフ島で発見された直後にハワイ島でも見つかったAvocado Lace Bug（学名Pseudacysta perseae、別名Camphor Lace Bug）です。

ごくごく最近ハワイで問題になりはじめた虫がもうプナ地区にも現れるとは！

ちなみに羽がレース状なので、英名は「Lace Bug」。

和名の「グンバイ」とは、背面から見たときの閉じた羽の形が軍配ぐんばいに似ていることに由来するとか。

観察を続けていると、体がトゲトゲで覆われた虫もたくさんいることに気がつきました。

これはAvocado Lace Bugの幼虫だそうです。

（レース状の羽をもっているほうが成虫で体長は2ミリほど）

このように葉の裏にはAvocado Lace Bugのコロニーがすっかりできあがっています。

Avocado Lace Bugの特徴

ちなみにネット上の情報をまとめてみると、Avocado Lace Bugのライフサイクルはこんな感じです。

• 成虫のメスは、黒い排泄物の塊の下に黄色がかった楕円形の小さな卵を産む。
• 幼虫は脱皮を5回繰り返したのち成虫に。
• 卵から成虫になるまでにかかる期間は、温暖な気候下で約3週間、冷涼な気候下で数か月。
• 一年に複数回、世代交代する。
• 一年を通して、幼虫から成虫にいたる各段階の状態が存在する。

そしてグンバイムシ（Lace Bug）の一番の特徴はクスノキ科の植物を食べるということ。

アボカドもクスノキ科なのでAvocado Lace Bugのかっこうの餌食というワケです。

幸いにも、Avocado Lace Bugは葉っぱしか食べません。

アボカドの実は食べないとのこと。

そのためAvocado Lace Bugの個体数が少なければ、さほどダメージはないはずです。

でも個体数が増えたら養分を吸い尽くされた葉はやがて枯れ落ちてしまいます。

たくさんの葉が落ちると、太陽光が当たることでアボカドの実が日焼けしたり、アボカドの木にストレスがかかることでアボカドの収量が減ったりする可能性があります。

なので株の状態をみて必要に応じて駆除する必要があります。

Avocado Lace Bugの駆除方法

駆除方法としては、このサイトに殺虫用洗剤の M-Pede や Saferまたは園芸用オイルの Green Light、 SunSpray、Volckなどが有効だと書いてあります。

でも家庭でアボカドを少し栽培してるレベルであれば、わざわざ市販の洗剤や油を買わなくても、水・食用油・食器用洗剤があれば十分だと私は思います。

わが家では水にほんの少しの食器用洗剤を混ぜて葉の裏側に噴射しました。

2リットルの水に食用油と食器用洗剤を混ぜる「油石鹸水」も効果がある気がします。

私たちはこのようなポンプ式スプレーに石鹸水を入れ、葉の裏側に直接噴射しました。

今後もこまめにチェックして、アボカドを無事に収穫できればと思っています。

（参考）

UC IPM :: Avocado Lace Bug（英語）

State of Hawaii Department of Agriculture :: Avocado Lace Bug Flyer（英語）