言わずもがな、ハワイ島は火山島。
最近(2018年5月以降)もキラウエア火山の活動が活発になり、いくつもの町が溶岩に飲み込まれました。アメリカ本土や日本でもニュースになったのでご存知の方も多いかもしれません。
激しい火山活動により、家を失った住民がたくさんいます。また、ハワイ島火山国立公園も閉鎖され、ハワイ島への旅行を取りやめた観光客も大勢出ました。
https://www.fulupala.com/kilauea_lava2018
これほど被害が拡大したのは、近いうちに溶岩が流れる可能性が高いエリアに、多くの住民が住んでいたからです。
なぜ危険なエリアなのに住もうと思うのかというと、1エーカー(約4,046平方メートル)前後の広い土地が数千ドル(数十万円)とかなりの低価格で買うことができることが大きな理由でしょう。
なかには、不動産屋に危険なエリアだとは聞かされずに土地を買った人もいるかもしれませんが。こういうことがあるので、ハワイ島で土地を買ったり住んだりするなら、溶岩が流れる危険が高い場所を把握しておきたいところです。
Lava Zone Map
そのような住民のために、米国地質調査所(USGS)が1974年に調査・作成し、1992年に改訂したLava Zone Mapという地図があります。
この地図では、ハワイ島の5つの火山の活動記録をもとに、今後溶岩に覆われる危険性が高いエリアを、Lava Zone 1(最も危険なエリア)からLava Zone 9(最も危険が少ないエリア)に色分けしています。
▲USGS(米国地質調査所)より。Wright, T.L., Chun, J.Y.F. ,Exposo, Jean, Heliker, Christina, Hodge, Jon, Lockwood, J.P., and Vogt, S.M., 1992, Map showing lava-flow hazard zones, Island of Hawaii: U.S. Geological Survey Miscellaneous Field Studies Map MF-2193, scale 1:250,000.
Lava Zone 1
火道(vent; マグマや火山噴出物が地表へ出て行く経路)が歴史的に何度も活発化してきたキラウエア火山とマウナロア火山の頂上とリフトゾーンを含むエリア
該当地区:
レイラニエステーツ⇒2018年5月以降に一部で地割れが発生、溶岩流に飲み込まれる。
カポホの一部⇒2018年6月以降に溶岩流に飲み込まれる。
カラパナバケーションロット
ロイヤルガーデン
Lava Zone 2
Zone 1に隣接し、Zone 1へと続く斜面を含むエリア。Zone 2の15-25%は1800年以降溶岩で覆われており、Zone 2の25-75%は過去750年の間に溶岩で覆われている。Zone 1から遠ざかれば遠ざかるほど、Zone 2の危険度は減少します。
該当地区:
ブラックサンドビーチ
ナナワレエステーツ
ハワイアンビーチズ、ハワイアンショアーズ、ハワイアンパークス
プナビーチパリセード
カラパナシービューエステーツ
ハワイアンパラダイスパーク(HPP)の一部
Lava Zone 3
最近活動的な火道からの距離が遠いため、また地形的にみて、Zone 2より危険が少ないエリア。 Zone 3の1-5%は1800年以降溶岩で覆われており、Zone 3の15-75%は過去750年の間に溶岩で覆われています。
該当地区:
アイナロア
ティキガーデンズ
ハワイアンパラダイスパーク(HPP)
ハワイアンエーカーズ
ファーンエーカーズ
オーキッドランドエステーツ
エデンロック
ファーンフォレスト
ボルケーノビレッジ、グレンウッド、マウンテンビュー、カーティスタウンおよびその周辺地域
Lava Zone 4
キラウエア火山やマウナロア火山よりも噴火の頻度が低いフアラライ火山全体を含むエリア。 それに比例して、溶岩に覆われたエリアは少なく、1800年以降約5%、過去750年の間に15%以下。
Lava Zone 5
現在は地形的に保護されているキラウエア火山上のエリア
Lava Zone 6
地形によって守られているマウナケア火山上の2つの地域
Lava Zone 7
マウナケア火山の比較的新しいエリア。 このエリアの20%は過去10,000年の間に溶岩で覆われました。
Lava Zone 8
マウナケア火山の残りのエリア。 このエリアのほんの数パーセントが、過去10,000万年の間に溶岩で覆われました。
Lava Zone 9
最後に噴火したのが60,000年以上前のコハラ火山。
まとめ
Lava Zone 1〜3ではそのエリアに含まれる主な地区をリストアップしましたが、すべてを含んでいるわけではありません。また、地図は1992年に改訂されてから更新されていないので、古い情報も含まれるかもしれません。
ちなみに、私たちの土地はLava Zone 3にあります。プナに住んでいる、と言うような人はだいたいこのゾーンに住んでると思います。日本人も多く住んでいます。
ハワイ島で土地を買う際には、その危険性を考えてよく調べてくださいね。